・ジノルル♀幼馴染設定 ・ジノの口調など捏造 ・ありえない展開 …大丈夫な方のみお読みくださいませ! 『ジノ! 裏切るのか!?』 「悪いな、スザク」 言葉と共にトリスタンにヴァリスが付き付けられる。しかし、ジノは動じることなく、通信画面に映るスザクに向かって不敵に笑う。 「俺にだって譲れないことがあるんでね」 まだ幼い頃、両親に連れられてやってきた宮殿。大きく複雑な造りのそれは幼いジノの好奇心を刺激する。誘われるままにジノは歩き出し、いつの間にか迷い込んでしまった。 (どっちに戻ればいいんだ…?) 元来、明るく自由奔放な子供であるが、流石に知らないところで親と逸れてしまうのは辛かった。早く戻らなくては、と思えば思うほど気が焦って、泣きたくなる。 そうして当てもなく歩き続けた先に広がったのは、美しい花の園。よく見かける豪華な華ばかりが整然と並ぶ花畑ではなく、可憐な花が幾重にも連なるそう、まるで自然に出来た花畑のようだった。 「あ、」 花畑の中心に少女が座り込んでいるのを見つけたジノは思わず声を上げた。少女はゆっくりと振り返る。青と白を基調にしたドレスがふわりと翻った。 「あの、俺…」 とにかく道を聞こう、そう思っているのに上手く言葉にならない。ジノが言いよどんでる間に少女はゆっくりとジノに近付き、顔を覗き込む。 「泣きそうな顔…、哀しいのか?」 少女は手を伸ばしてジノの頭をそっと撫でて、心配そうにそう尋ねた―――これが、ジノと少女――ルルーシュとの最初の出会いであった。 迷子になった縁というのもおかしなものだが、ジノはそれから度々アリエスの離宮に訪れた。ルルーシュは勿論、可愛らしい妹のナナリーや優しい母のアリマンヌのこともジノはすぐに大好きになった。そうしていつしかジノにとってアリエスの離宮は大切な場所となっていた。 初めて出会った花畑でルルーシュはあの日のように座り込み、ナナリーにプレゼントする花飾りを作っていた。器用に花を編みこんでいくルルーシュをジノは隣で見ていた。 「なあ、ルル」 「ん?」 手を止めて、ルルーシュがジノの方へと顔を向ける。 「大きくなったら、俺のお嫁さんになってよ」 「え…」 「いいだろう? 大好きなんだ。ずっと一緒にいたい」 まっすぐに見つめると、ルルーシュは困ったように瞳を伏せた。髪から覗く白い耳がほんのりと赤く染まって見えるのはジノの気のせいではないだろう。 「えっと…」 ルルーシュが顔を上げ、ジノへの返事を口にしようとしたそのとき、大きな声が2人を呼ぶ。 「お姉さま! ジノさん! お茶がはいりましたってお母さまが!」 「ナナリー!」 「わ、わかった! 今行く!」 予想外の展開に2人は顔を見合わせくすくすと笑い合う。とても返事を聞くような雰囲気ではなくなってしまったが、それでも構わないとジノは思った。返事なら今でなくても、いつでも聞けるそう思っていたから、また今度でいいと思った。 「行こう、ルル」 「うん!」 それに差し伸べた手を取ってくれる。例え言葉にしなくてもこれは答えだと思えたから。 けれど、ジノが当たり前のように思っていた“今度”が訪れることはなかった。アリマンヌの死、そして姉妹は遠い日本という国に送られ、そうして死んでしまった。 「ルル…っ!」 本当に大好きだった。 すぐ忘れると親に言われても、そうは思わなかった。確かに幼い恋だったけれど、真剣だった。ルルーシュ以上に好きになる人なんてこの先絶対出来ない、そう確信していた。 (力がなくて、ごめん…!) 日本行きを止めることも、一緒に行くことも、守ることも何も出来なかった。本当に、大切で、守りたい、幸せにしてあげたいと思っていたのに、何一つ出来なかった。 大き過ぎる後悔が押し寄せてきてジノは逃げるように軍に入った。何もしていないと狂ってしまいそうだったから、ずっと戦地に身を置いた。 そうしていつの間にかラウンズにまで上り詰めていた。 一瞬の隙を突いてトリスタンはランスロットの懐に入り込み、ヴァリスを弾き飛ばす。そのままの勢いで体当たりし、トリスタンとランスロットは縺れ合うように大地に落ちた。 「ルルを守る。もう二度と俺からルルを奪わせない」 『なんだって…!?』 「ブリタニアだろうと、中華連邦だろうと、スザク、おまえだろうと俺からルルを奪うって言うなら、容赦しねえ」 ランスロット押さえ込んだトリスタンは素早くしかし確実にランスロットに照準を合わせた。 「わりぃな、スザク」 アイリス
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